「カスタマーハラスメント」について

カスタマーハラスメント、いわゆるカスハラの話題が多く出ています。大切な従業員を守るため、AIを
活用したカスハラ対応のシミュレーションソフトまで登場していますが、なかなかマニュアル通りの
対応は難しいものです。
カスハラはカスハラ行為をする人が「お客様」であるというところに難しさがあります。
お客様の言葉が「度を越したクレーム」なのか、しっかりと見極めることが重要です。

前職の経験から少しお話させていただくと、絶対にNGな対応は「全面謝罪」です。全面謝罪は
カスハラ行為者がなぜ激高しているのかを正確に把握する過程を失わせ、逆にエスカレーションさせる
ことに繋がってゆきます。まずは、お客様のクレームの理由をしっかりと聴き、主張に妥当性があれば
沸点のポイントに絞って気落ちを込めて限定謝罪することです。その時、お客様に対してどれだけ
迷惑をかけていたのかを相手の立場に立って考えながら行動すると自然な動きで謝罪ができるのです。
この最初のアクションこそが対応の成否を分ける重要なポイントとなります。
成功したときには、お客様と同じ方向で解決方法を一緒に考えられるようになります。
一方で、この最初のアクションでお客様の態度に変化が無い場合は、「お客様」という意識を変える
必要があります。対等な立場で理路整然と話を進めるようにします。
そして、お客様自身に「度を越えたクレームをしている」ということを理解して頂きます。
お客様のテンションが下がれば、再度、解決方法について話し合えるチャンスが出てきます。
しかし、それでもダメな場合は、やはり、冒頭の「カスハラ対策」を行うしかありません。

カスハラは人の感情に関わる部分が大きいので、その対応はマニュアル通りには行きません。
拙い話で恐縮ですが、参考にして頂けると幸いです。